レンズによって倍率が変わるコンタックス Gシリーズの「実像式ズームファインダー」は、ライカなどの「ブライトフレーム・ファインダー」とは違って、例えば90mmレンズの場合はほぼ等倍まで拡大されるので、見やすくてよい。
だが、一眼レフと同じくフレームの外が見えないファインダーなので、構図はとりにくく、正直なところ、使いやすいとはいえない。
特に、視野率が45mmレンズでも約90%、広角レンズではさらに低くなり、極論すれば安物の一眼レフと同じようなファインダーなわけで、「じっさいにはどの辺りまで写るか」を考えつつ構図をとるには、カメラを上下左右に動かす必要があって、面倒。
構図の点だけでいえば、安いコンパクトカメラの「アルバダ式ファインダー」などの方が、かえって使いやすいくらいだ。
# もちろん、G2のファインダーは、シャッタースピードやフォーカス距離なども表示されるという点などで、本来は比べものにならないわけだが…
ファインダー倍率は低いより高い方がいいのはもちろんだが、Gシリーズの場合は、もともとマニュアルフォーカスの一眼レフやライカなどとは違って、二重像を合致させるわけではないから、多少倍率は低くてもいいと思う(有効基線長の問題は置いたとして)。
むしろ、「レンジファインダー・カメラなのにブライトフレームではなく、一眼レフみたいなファインダー」というのは、商品のポジショニングとしてもおかしい気がする。
来るべき「G3」では、倍率は今より少し小さくなってもかまわないから、ぜひとも「ブライトフレーム付きのズームファインダー」を実現してほしい。 > 京セラさん
# そうなれば、LEICA M6などに対しても、「現代的なアドバンテージ」を、さらに得ることができると思う
G2のシャッター音および、その直後の巻き上げ音は、軽快で歯切れのよい、気持ちいい音だと思う。特に、いかにも「撮りますよ」というときなどには、「盛り上げる」(?)意味もあって、よい。
しかし、街中でスナップするときなどには、やはり音は大きすぎるし、目立ちすぎだと思う。
「プロ用」としてはこれでいいのかもしれないが、「アマチュア用」かつ「お散歩用」としては、ライカのように、とまでは言わないものの、もう少し静かなものにしてほしい、と思うのは僕だけなのか…。
Gシリーズに限ったことではなく、京セラの一眼レフでも同じなのだが、露出補正は、1/3EVステップになっている。これは、リバーサルフィルムを前提にすれば、確かに1/2EVステップよりは肌理が細かくてよいのかもしれない。
しかし、ABC機構の方は、±1/2EVの3段階か、±1EVの3段階、どちらかの選択だ。
なので、それぞれはそれなりに良いのだが、露出補正とABC機構を組み合わせて使うときには、ちょっと不便なことが起きると思う。
例えば、+0.5EV、+1EV、+1.5EVの3つを撮りたいときは、露出補正を+1EVにして、ABC機構を±1/2EVの3段階にして3枚撮ればよい。
ところが、±0EV、+0.5EV、+1EVの3枚をABC機構で撮る方法がないのだ(そうしたいのなら、上の3枚と、補正なしの1枚の、合計4枚を撮れ、ということなのか)。
こんなことを言うのは素人の僕だけなのかもしれないが、露出補正は1/2EVステップにした方が便利な気がする。
コニカのデジタル・スチル・カメラで、僕は当時の他の製品と比べて良いと思ったから買ったものの、発売時期は早すぎたか遅すぎたかのどっちかであって、機能と価格のバランスの問題など、マーケティング的には失敗した製品だと思う。
定価10万円以下で、100万画素以上は、当時としては、魅力的な仕様だった。
F2.8のHexanonレンズは、アナログ(銀塩フィルム)のコンパクトカメラを含めても、現在でも最も明るい部類。
35mmフィルム換算で約39mmという焦点距離は、単焦点としては、35mmレンズがほとんどで一部28mmレンズというコンパクトカメラのなかでは貴重だし、ある意味では適切だと思う。ちなみに、35mmカメラの「標準レンズ」が50mmになったのは、ライカが「標準」として採用したからだが、本来の「標準」という意味はフィルムの対角線の長さの焦点距離のレンズのはずだから、35mmカメラでは43mmレンズが標準レンズということになる(ペンタックスは、もしかしたら世界唯一の43mmレンズを販売している)。
低コスト化のためか、「原色フィルタ」ではなく「補色フィルタ」を使っているが、色表現はそれほど不自然ではなく、「やや派手めな色調」程度の範囲に収まっている。
液晶ディスプレイのファインダーはあくまで「おまけ」として位置付け、光学式ファインダーをメインにしてあるので、使いやすい。
# また、形も35mmフィルムのコンパクトカメラに近い
「電源ON」は、電気式のボタンではなく、手動式のレバーによる操作なので、誤作動がない。
あと、撮影時にはデフォルトでは「ピピッ」という電子音が小さく鳴るが、これはを無音に設定することもでき、それは「電源OFF」にしても継続される。
これに限ったことではなく、ほとんどのコンパクトカメラがそうなのだが、「電源OFF」して「電源ON」すると、解像度がデフォルトの「Fineモード」に戻り、また「フラッシュ自動発光モード」に戻ってしまうのには閉口する。
# 撮ろうと思ってONにするたびに、ボタンを何回も押すという不毛な作業が必要になることが多すぎる
「電源ON」にしてると、電池は消耗するし、レンズもむき出しで傷が付くだけだから、連続的に撮影をする場合以外ではこれを続けることはできないのであって、「電源OFF」にしても解像度やフラッシュのモードは最新の設定を引き継ぐように、ぜひしてほしい。
重さはまあいいとしても、ボディ・サイズは、けっこう大きい。特に奥行き(厚み)は、ありすぎる。
また、近接撮影モードの場合、おせじにも「パララックス」(視差)が補正されているとは言えない。ファインダーに見えてる部分が写らないということはほとんどないようなので、まだマシだが、ファインダーの外側はかなり写り込むので、「近接時マーク」があまり意味をなしていない。
レンズは特筆すべきものはない、単に凡庸なコンパクトだが、当時コニカの「ビッグ・ミニ」が売れていたときに、それではなくこれを買ったのは、28mmと45mmの二焦点、という点に尽きる。
単焦点のコンパクトは35mmが多く、それは平均値としては使いやすいのだが、飲み屋とかで複数の人々の記念写真を撮るときとか風景撮影にはもっと広角がほしいし、逆にふつうに撮るときは広角では歪むし被写体が小さく写ってしまうので標準レンズの方がよい。
最近のコンパクトカメラは広角から望遠までの3倍ズームとか4倍ズームとかが一般的になりつつあるが、望遠側はF11などの暗いものが少なくなく実用的ではない。また、ズームの場合でも、最短と最長(と、真中へん)しか実際には使わないので、無駄だ。
そういう意味で、28mmと45mmの二焦点、というのは、コンパクトとして最適の仕様のような気がするのに、こういうカメラがなくなってしまったのは残念。
もっとも、このカメラについては、
などの問題がある(ただし、中古カメラ屋で見た後期バージョンでは、レンズバリアがついていた)。
今日のコンパクトカメラの元祖と言ってもよい機種であり、東京・中野の中古屋・フジヤカメラで2万円で購入した。
レンズは、ZUIKO 35mm F2.8と明るく、ピントを手動の二重像合致式で合わせる、絞り優先オート露出のコンパクトカメラだ。
一部のマニアの間では銘機の誉れ高いものなので、期待して使い始めたのだが、最大の欠点は「小さすぎる」ということだと思う。軽いのはいいのだが、大きさ、特に左右幅が小さすぎて、両手で構えるときに心許ない。カメラは小さければ小さいほどいいのではなく、「適度な小ささ」というものがあるはずだ。もっとも、別売のフラッシュを左側にくっつければちょうど良い大きさとも言えるのかもしれないが。
また、些細なことだが、ストラップを付けることができないため、取り扱うときに「おっことさないように」という余計な気を回してしまうので、コンパクトカメラとしてはマイナスだろう。
二つ目の問題点はシャッター音で、音が小さいのはいいのだが、「カチッ」というこの機械式シャッター音はほとんどオモチャ・カメラのものであって、写真を撮るということの快感をまるで誘ってくれないのだ。
三つ目の問題点はファインダーで、二重像合致式のブライトフレームという点はいいのだが、被写体が明るいときなどは二重像やフレームやシャッタースピード表示などが見づらい。また、ブライトフレームじたいもファインダー枠いっぱいに近いので、フレームの外側が見えるという本来の意義は少ないし、眼鏡を使っているとフレーム全体を見るのも難しい。
さらに些細な点では、ピント調整のヘリコイドの表示はフィート単位になっているが、できればメートル法にしてほしかった。
上記で、違うタイプのカメラをいくつか採り挙げてみたが、どれも理想とは言えない。
僕にとっての理想のコンパクトカメラとは、
というものだと思う。
この中では「1」と「3」は割と評価しやすいわけで、多くの問題は「2」にある。
例えば、現在のほとんど全てのカメラは「オートフォーカス」だが、これは決して速いとは言えない。じっさい、カメラを構えてから、レリーズ半押しして「ズズッ…」という時間を待たなければいけないのだから。
ちなみに、目測式マニュアルフォーカスの広角レンズのカメラであれば、F8で5mとかに合わせておけば、瞬間的にシャッターを切ることができて、ピンボケも起こらない。
また、最近のカメラは電気式で、電源をONにすると沈洞式のレンズが「ジーッ」と繰り出して来たりするものが多く、その時間もかなり長い。
そうした点については、古いカメラの方が優れているのだが、それらは重く大きいものが多いのも事実。
結局のところ、上の機種も、ライカ M3、M2、M6や、オリンパス ペン、京セラ T プルーフ、スリム T、コンタックス T、T2、TVS、キヤノン QL-17、フジカ C35FD、ローライ35、レチナ…なども、今のところ、一長一短なのだ。